BCGワクチンを接種する時期は?副反応はどのようなことが起こるのか?

BCGワクチンの概要、接種時期、接種できる条件、副反応について

このエントリーをはてなブックマークに追加

BCGワクチンは結核感染の予防を目的に行われる予防接種です。
「ハンコ注射」という名前でよく知られているワクチンです。
ここではこのBCGワクチンについて詳しく紹介します。

BCGワクチン接種で結核を予防できる

BCGワクチンは、結核菌を弱毒化した(病原性を少なくした)生ワクチンです。
それを接種することで、結核菌に対する免疫を獲得し、結核にかかりにくくなります

 

BCGワクチン接種が必要な理由

BCGワクチン接種が必要な理由は、まず抗生物質に耐性を持つ結核菌が出現し、今後再び結核患者が増加する恐れがあるためです

 

結核は昔の病気のイメージがありますが、近年感染者が増加傾向にあります
結核は、昔は不治の病と言われていましたが、1950年代に有効な抗生物質の開発によって劇的に死者数が減少しました。
しかし、この抗生物質が効かない結核菌が近年出現してきています
このことから薬に頼った対策ではなく、予防接種で予防することがより重要視されてきています。

 

肺結核は微熱、咳が長続きする場合が多いです。
ちなみに、結核と言えば肺結核のイメージが強いですが、肺結核以外にも、結核性腹膜炎、結核性心膜炎、腸結核、腎結核など体中の様々な臓器に影響を与えます。

 

もう1つ、BCGワクチン接種が必要な理由として、幼少期に感染すると重症化し、死に至ることもあるため、小さなころから結核に対する免疫を身につける必要があることが挙げられます

 

結核は、特に3歳以下の子供では重症化する確率が高いです
重症化すると、髄膜炎を引き起こすことがあり、脳の後遺症を残すことや死に至ることもあります。
よって、早い時期から予防接種で結核を予防しておく必要があるのです。

 

BCGワクチンを接種できない人

以下の要件に該当する人はBCGワクチンを接種できません。

 

@明らかな発熱がある
A重篤な急性疾患にかかっている
BBCGワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある
C結核やその他の疾病の予防接種、外傷でケロイドがある
D免疫機能に異常のある疾患がある、または免疫機能を抑制する治療を受けている
E結核にかかったことがある

 

ちなみにDに関して、以下の薬を使用している、または薬の使用中止後6か月以内の場合にはBCGワクチンの接種ができません。

 

@副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン等)
A免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン等)

 

BCGワクチン接種のタイミング

BCGの接種は生後5か月から生後8か月に達するまでに接種することが推奨されています
ここまでで紹介した通り、結核は低年齢で重症化する確率が高まります。
このスケジュール通り、できるだけ早めに接種するようにしましょう。

 

ちなみに、BCGワクチンの接種は1回のみであり、1回に2か所注射が行われます

 

他のワクチンとの接種間隔、併用について

BCGを接種する前に他の生ワクチンを接種している場合には、それから27日以上間隔を空ける必要があります
また、BCGを接種する前に他の不活化ワクチンを接種している場合には、それから6日以上間隔を空ける必要があります

 

ちなみに他のワクチンの場合は、添付文書(薬の使用説明書)には、「医師の判断で他の生ワクチンや不活化ワクチンと同時接種することもできる」旨の記述がよくありますが、BCGワクチンはありません。
基本的には、BCGワクチン単独での接種となります

 

免疫ができるまでに要する期間

BCGは生ワクチンであるため、免疫ができるまでには1か月かかります。
一度できた免疫は比較的長く持続します。

 

BCG接種後に現れるコッホ現象について

コッホ現象とは、BCGワクチンを接種してから約10日後に針を刺した部分が赤く腫れる現象のことをいいます。
そして、接種してから1か月から2か月後に針を刺した部分に化膿が起こります。
その化膿は4週間もすれば改善します。

 

一見、BCGを受けると誰にでも起こりそうな現象ではあるのですが、問題はそのタイミングです。
通常はBCGワクチンを接種してから約1か月後に赤い腫れが出現します。
つまり、炎症が早い段階で起こっているのです。

 

この場合、過去に結核菌と接触したことがあることが疑われます
結核菌に対する免疫がすでにできていたことが推察されるのです。
つまり、その人は結核菌を現在も保菌している可能性があります。
もしコッホ現象と疑われる現象が起こった場合には、必ず医療機関を受診するようにしましょう

 

ただ、過去に結核菌の感染や発症が起こらず、ただ接触しただけの場合でも免疫が形成されている可能性があります。
つまり、必ずしもワクチンを受けた人が結核に感染していたことを意味するわけではありません。

 

その他起こりうるワクチンの副反応について

まずワクチンに対するアレルギー反応が起こることがあります。
数日以内に発疹、じんましん、それに伴うかゆみが現れることがあるので注意が必要です。
アレルギーが重症である場合にはアナフィラキシーショックが起こることがあります。
体のだるさ、呼吸困難、顔色が悪いといった症状が現れた場合には医療機関に相談しましょう。

 

また、免疫機能が低下している場合には、栗粒状の結核病変が全身に現れることがあります。
これはBCGワクチンを接種した人の免疫がワクチンに含まれる弱毒化した結核菌に打ち勝つことができず、結核菌が全身に広がって起こります
その他、骨炎、骨髄炎、骨膜炎、皮膚結核に似た病変が起こることがあります。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ページ

B型肝炎ワクチンの概要、接種時期、接種できる条件、副反応について
B型肝炎ワクチンはB型肝炎を予防するためのワクチンで、2016年から定期接種のワクチンとなりました。B型肝炎の感染はこれまで主に母子感染が警戒されてきましたが、外国人との性行為の機会の増加や保育所での集団感染の事例も報告されていることから、母親がB型肝炎ではない場合でも今後より一層注意が必要な感染症です。
MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)
MRワクチンははしか(麻疹)と風疹(三日ばしか)を予防するためのワクチンです。はしか、風疹はともに小さな子供の間で流行しやすい感染症です。また、妊婦がはしか、風疹にかかると分娩や胎児に影響が出ることから妊娠中の女性も感染に注意が必要でワクチン接種が推奨されます。
インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンはインフルエンザにかかるのを予防するためのワクチンです。小さな子供がインフルエンザにかかると、大人よりもインフルエンザ脳症や肺炎といった重症化しやすいためワクチンによる予防が重要となります。
おたふくかぜワクチン
おたふくかぜワクチンはムンプスウイルスの引き起こすおたふくかぜを予防するワクチンです。おたふくかぜは難聴、精巣炎による不妊などの合併症を引き起こすおそれがあり、ワクチンは任意接種ですが、接種が推奨されます。
ヒブワクチン
ヒブワクチンはインフルエンザ菌B型の感染を予防するためのワクチンです。インフルエンザ菌B型は0歳から1歳の小さな子供に感染することが多く、細菌性髄膜炎の原因となりやすいです。細菌戦髄膜炎になると水頭症、てんかん、脳神経麻痺、知的障害などの後遺症が残る可能性がある他、生死に関わることもあるため、ヒブワクチンの接種による感染予防が重要となります。
ロタウイルスワクチン
ロタウイルスワクチンは嘔吐、下痢などの原因となるロタウイルスの感染を予防するためのワクチンです。ロタウイルスは小さな子供に感染しやすく、脳炎、意識消失、けいれん、腸重積といった症状が出る重症化も起こることがあり、任意接種ではありますがワクチン接種が推奨されています。
四種混合ワクチン
四種混合ワクチンはジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの感染を予防するためのワクチンです。いずれの感染症も子供にとっては生死に関わるような重大なものであるため、定期接種のワクチンとなっています。
小児肺炎球菌ワクチン
小児肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌の感染を予防するためのワクチンです。子供の肺炎球菌感染者の約50%は0歳児で、細菌性髄膜炎など重症化の恐れもあるため早い時期からの接種が必要なワクチンです。
水痘(水ぼうそう)ワクチン
水痘ワクチンは水ぼうそう(水痘)を予防するためのワクチンです。子供に流行しやすい感染症で、まれに肺炎、脳炎、髄膜炎など重症化が起こります。また、妊娠中に水ぼうそうにかかると流産、死産、胎児の奇形といったリスクが高まるため、女性にとっては特にワクチン接種が必要となります。

 
母子の身近な病気について 子供の薬の使い方 予防接種 よく使われる薬の解説 お問い合わせ