MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)の接種時期、副反応は?

MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)の概要、接種時期、接種できる条件、副反応について

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MRワクチンは麻疹(はしか)や風疹(三日ばしか)を予防するためのワクチン

MRワクチンは麻疹・風疹混合ワクチンのことで、麻疹(はしか)と風疹(三日ばしか)を予防するために予防接種を行います。
ここではこのMRワクチンについて詳しく紹介します。

MRワクチン接種が必要な理由

麻疹(はしか)は2歳以下の小児に起こりやすい

麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスが引き起こすウイルス感染症で、発熱、発疹が主な症状として現れ、鼻水、ノドの痛み、咳、下痢を伴うこともあります
ほとんどが2歳以下の子供に感染が起こります。特に1歳代に多いです。

 

ちなみに、子供の頃にMRワクチンを接種していても、20〜30代で予防接種によって得た免疫力が弱くなってきて、麻疹にかかってしまうことも多いです

 

小児に麻疹(はしか)が起こると重篤な合併症にかかる可能性が高まる

小児の場合、30%に合併症が起こり、亜急性硬化性全脳炎などの脳の障害、中耳炎、肺炎、クループが起こることがあります。

 

妊婦が麻疹(はしか)になると流産、死産、早産のリスクが高まる

妊娠初期に麻疹になると、約3割が流産となります。
また、妊娠中期以降の感染でも死産や早産の危険性が高まります

 

風疹は1歳から小学校低学年ぐらいの年齢で流行しやすい

風疹は3日ばしかとも呼ばれ、麻疹と類似した症状が起こります。
風疹ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症で、発熱、発疹、鼻水、咳といった症状が現れます。
しかし、麻疹と比較して症状は軽度である場合が多く、ウイルスの感染力も麻疹よりも弱いです。
それでも年齢の小さな小児で流行が起こることが多く、1歳から小学校低学年あたり年齢では感染しやすいです
流行を阻止するために予防接種が必要なのです。

 

妊娠中の女性が風疹になると胎児に先天性風疹症候群が起こる

妊娠中の女性が風疹になると、先天性風疹症候群という胎児に対する影響が出ることがあります。
これは主に妊娠初期に風疹になることで起こりますが、特に妊娠10週までにかかってしまうと9割程度の胎児に影響が出ると言われています
主な胎児に起こる事象としては、白内障、緑内障などの目の症状、動脈管開存症、肺動脈弁狭窄症といった心臓奇形、聴覚障害、脳の異常、糖尿病、流産が挙げられます。

 

まとめ

麻疹も風疹も重篤な合併症が起こることがあるため、それらを防ぐためにもワクチン接種が推奨されています。
MRワクチンは定期接種のワクチンであるため、法的な強制力はありませんが、予防接種を受けるように努めなければなりません。
ほとんどの地方自治体では接種費用の補助が支給されるので、費用はかかりません。

 

MRワクチンを接種できない人

以下の条件に該当する人はMRワクチンを接種することができません

 

@明らかな発熱がある
A重篤な急性疾患にかかっている
BMRワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある
C明らかに免疫機能に異常の出る疾患がある場合、または免疫抑制を起こす治療を受けている場合
D妊娠している場合
Eその他、予防接種を受けることが不適当な状態にある場合

 

Cの免疫抑制を起こす治療は、薬物治療では、プレドニン(プレドニゾロン)などの副腎皮質ホルモン剤、ネオーラル、サンディミュン(ともにシクロスポリン)、プログラフ(タクロリムス)、イムラン(アザチオプリン)を使用している場合が該当します。

 

MRワクチン接種のタイミング

小児の定期接種の場合、2回のMRワクチン接種が行われます。
1回目は1歳になってから2歳になるまでの間に接種を行います。
2回目は小学校に入学する1年前から、小学校に入学するまでに接種を行います。

 

また、成人の場合でも妊娠を希望する女性、またはその夫(事実上婚姻関係の場合も含まれることがある)で、特定の条件を満たす場合にはMRワクチンの接種費用の助成金を出してくれる地方自治体もあります。
これは先天性風疹症候群の予防のためです。
特定の条件とは、病院の風疹抗体検査で抗体がないと判定された場合などです。
ちなみに、この抗体検査に関しても地方自治体の助成金が受けられることがあります
詳しくはお住いの地方自治体に問い合わせてみましょう。

 

他のワクチンとの接種間隔、併用について

他のワクチンとの併用に関してですが、MRワクチンを受ける前に他の生ワクチンを受けている場合にはその接種から27日以上間隔を空ける必要があります
また、MRワクチンを受ける前に他の不活化ワクチンを接種している場合には6日以上間隔を空ける必要があります

 

ちなみに他のワクチンとの同時接種に関しては医師の判断で行うことができます。

 

免疫ができるまでに要する期間

MRワクチンは生ワクチンです。
免疫ができるまでには1か月程度かかります
また、一度できた免疫は長く持続しやすくなっています。

 

MRワクチンの副反応

MRワクチンの副反応に関してですが、主なものとして発熱(約2割)、発疹(1〜2割)が挙げられます。
その他、注射した部位の腫れや赤み、そして鼻水や咳といった症状が現れることもあります。

 

頻度は少ないですが、気を付けなければならないのはアレルギー反応によるアナフィラキシーショックです。
発疹、嘔吐、意識の低下といったアレルギー反応が疑われる場合には医師に相談しましょう。

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