ヒブワクチンとは?接種のタイミングや副反応は?

ヒブワクチンの概要、接種時期、接種できる条件、副反応について

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ヒブワクチンはインフルエンザ菌B型の感染予防のために接種されるワクチンです。
インフルエンザ菌B型は小さな子供に髄膜炎を起こしやすい細菌であるため、予防接種が行われています。
ここではこのヒブワクチンについて詳しく紹介します。

ヒブとは?

ヒブ(Hib)とは学名Haemophilus influenza Type bの略称であり、インフルエンザ菌B型のことを指します。
インフルエンザ菌は細菌であり、一般によく知られるインフルエンザを引き起こす微生物ではありません。(インフルエンザを引き起こすのはインフルエンザウイルス)
インフルエンザ菌は莢膜を持つ菌(莢膜株)と莢膜を持たない菌(非莢膜株)の2種類に大別することができます。
インフルエンザ菌B型は莢膜株に分類されます。

 

ちなみに莢膜とは細菌が表面に張る粘液状の膜のことで、これによって人の免疫細胞から受ける免疫反応に抵抗性を持つことができます。
つまり、莢膜を持つインフルエンザ菌B型はより人への感染で重症化しやすいということで、注意が必要なのです。

 

ヒブワクチン接種が必要な理由

ヒブワクチン接種が必要な理由は、インフルエンザ菌B型感染による髄膜炎敗血症から身を守るためです

 

現在はヒブワクチンが世界的に普及しており、インフルエンザ菌B型による感染症の重症例は少なくなってきています。
しかし、このワクチンが普及する以前には小児を中心にインフルエンザ菌B型による髄膜炎や敗血症が多く起こっていました。
インフルエンザ菌B型は、特に細菌性髄膜炎の原因菌として有名で、細菌性髄膜炎の原因の6割程度はインフルエンザ菌B型によるものと言われています
このような重症化を防ぐためにもヒブワクチンを接種することは重要なのです。

 

特に、インフルエンザ菌B型による細菌性髄膜炎は0〜1歳の低年齢で起こることが多いため、推奨される期間の間にすみやかにワクチン接種をする必要があります

 

ヒブワクチンを接種することができない人

以下の項目に該当する場合にはヒブワクチンを接種することができません。

 

@明らかに発熱している場合
A重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合
Bヒブワクチン、または破傷風トキソイドでアナフィラキシーを起こしたことがある場合
Cその他、ヒブワクチンを接種するのに不適当な状態にある場合

 

Bについてですが、ヒブワクチンに含まれるインフルエンザ菌B型は破傷風トキソイドに結合させた状態で存在しています
よって、破傷風トキソイドにアレルギー歴がある場合にはヒブワクチンを受けることができないのです。

 

ちなみに、破傷風トキソイドは三種混合ワクチン四種混合ワクチンに含まれています
これらでアナフィラキシーが起こったことがある場合にはヒブワクチンは接種できません。

 

ヒブワクチンの接種時期について

推奨されるヒブワクチンの接種スケジュール

ヒブワクチンは生後2か月から生後7か月になるまでの間に初回接種を行い、合計4回接種を行います。

 

ちなみに、インフルエンザ菌B型による細菌性髄膜炎は0歳から1歳に起こることが多く、生後6か月以降に患者数は急増します
このことから生後6か月までにヒブワクチンを3回接種することが推奨されています
その3回の接種の間隔は4〜8週間空けますが、医師の判断次第で3週間間隔に短縮することもできます。
そして、初回接種から1年以上経過してからもう一度接種するというパターンが多いです。

 

ただし、生後7か月になるまでに一度もヒブワクチンを接種していなかったらもう接種をできないのかと言われたら、そうではありません

 

初回接種が生後7か月から1歳になるまでの間になってしまった場合

ヒブワクチンの初回接種が生後7か月から1歳になるまでの場合、合計3回の接種を行います。
初回接種から4〜8週間間隔を空けて2回目の接種を行いますが、この場合も医師の判断で間隔を3週間に短縮することができます。
そして、初回接種から約1年間間隔を空けてから3回目の接種を行います。

 

初回接種が1歳以上5歳未満のタイミングになってしまった場合

初回接種が1歳以上5歳未満の場合には、その1回接種するのみとなります。

 

ただし、ここまでで紹介してきた通りインフルエンザ菌B型感染で起こる細菌性髄膜炎は0歳から1歳で多く起こります。
ですから、必ず生後2か月から7か月になる前に初回接種を行うスケジュールを組むようにしましょう。

 

他のワクチンとの間隔、併用について

直近に生ワクチンを接種している場合には27日以上、不活化ワクチンを接種している場合には6日以上間隔を空けて接種することとされています。

 

また、医師の判断で他のワクチンと同時接種することは可能です

 

ヒブワクチンの副反応について

まず、ヒブワクチンに対するアレルギー反応でじんましん、かゆみなどが現れることがあります。(出現頻度は5%未満)
アレルギー反応が過剰になるとアナフィラキシーを起こすこともあります。
アナフィラキシーの症状である呼吸困難、顔色が悪いなどが現れたら速やかに病院を受診しましょう

 

また、注射部位の腫れ、赤み、痛みが起こることがあります。

 

さらに、ヒブ感染様の症状である、発熱、咳、鼻水といった症状が現れることもあります。

 

クロイツフェルトヤコブ病に関する注意

ヒブワクチンは製造工程でウシ由来の成分を使用しています。
理論上はクロイツフェルトヤコブ病になるリスクは極めて小さいです
しかし、そのリスクも考慮し、ヒブワクチンの必要性を理解し接種する必要があります。

 

クロイツフェルトヤコブ病

BSE(牛海綿状脳症)のウシ由来のタンパク成分を体内に入れることによって起こる疾患です。
脳に変性を起こし、不随意運動(意志に関係なく起こる不必要な動き)、認知症などの神経症状を引き起こします。

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