子どもへの薬は「大人の縮小版」ではない

子どもの体は、臓器の発達や体内での薬の代謝・排泄が大人と大きく異なります。そのため、大人用の薬を量を減らして与えることは非常に危険です。子ども用に製剤・用量が調整された薬を、年齢・体重に合った量で使用することが基本です。

処方薬を使うときの基本ルール

  • 指示された量・回数・期間を守る:抗生物質は症状が改善しても中断しない
  • 他の子どもや大人に流用しない
  • 前回の余り薬を勝手に使わない
  • 薬の保管方法(冷蔵・室温など)を確認する
  • 副作用が疑われる症状が出た場合はすぐに医師・薬剤師に相談する

市販薬を使うときの注意点

年齢制限を必ず確認する

市販の風邪薬・解熱鎮痛剤・咳止めには、「〇歳未満は使用しないこと」という年齢制限が設けられているものが多くあります。パッケージをよく読み、対象年齢を必ず確認しましょう。

子どもに使ってはいけない成分

  • アスピリン(アセチルサリチル酸):15歳未満の子どもへの使用は原則禁忌(ライ症候群のリスク)
  • イブプロフェン:水ぼうそう・インフルエンザ時は使用を避ける
  • コデイン含有製剤(咳止め):12歳未満の小児への使用は禁止

薬の上手な飲ませ方

粉薬・シロップの工夫

  • 粉薬は少量の水でペースト状にし、口の中(上あごや頬の内側)に塗りつける
  • アイスクリームやヨーグルトに混ぜると飲みやすくなることがある(薬によっては混ぜてはいけないものもあるため薬剤師に確認)
  • ジュースや牛乳との相互作用に注意(鉄剤・抗生物質など)
  • シロップは専用の計量スポイトやシリンジを使って正確に量る

坐薬(座薬)の使い方

  1. 手洗い後、坐薬の先端に水または潤滑剤を少しつける
  2. 子どもを横向きに寝かせ、肛門にゆっくり押し込む
  3. 挿入後1〜2分間、お尻を押さえておく
  4. 排便した場合の対応は薬の種類や時間によって異なるため、薬局で事前に確認しておく

妊婦・授乳中の薬の使用について

妊娠中・授乳中は、薬が胎盤や母乳を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があります。

  • 市販薬も含め、自己判断で服用しないのが原則
  • 痛み・発熱に対してはアセトアミノフェンが比較的安全とされているが、必ず医師・薬剤師に確認する
  • 「授乳中でも安全な薬」の情報は「LactMed」などのデータベースも参考になる

まとめ

子どもへの薬の使用は「正しい薬を・正しい量で・正しい方法で」が基本です。不安な点は自己判断せず、かかりつけ医・薬剤師に相談する習慣をつけましょう。処方された薬は最後まで飲み切ることも重要です。